車輪の国、向日葵の少女

第四弾 アドベンチャーゲーム 18禁 プレイ期間8/7〜8/11 25時間ぐらい? 全シナリオ読了し全要素解放済み.
プレイ動機は名作との呼び声が高いのに売れてないから.
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
向日葵は正義の象徴.
プレイ開始3分で人が正義の名の下に殺される. 理由は待ち合わせ時間へのわずかな遅刻. しかし殺害した人は強大な権力を国家から与えられているので無罪. そんな横暴が罷り通る国家で, 不当な理由から犯罪者となり基本的人権を失ったヒロインを更正していくお話. 導入部を見た感じで人がバンバン死んでいく食えないゲームだと思ったら大間違いだった.
導入部と序章は所詮前座であり, メインの2章からヒロインに科せられた義務の辛さを知ることになる. アンリアルな設定なのだが目の離す事が出来ないシナリオ. 章終盤にかけての悲痛な展開は目を覆いたくなるが, ヒロインの強さと妹の健気さに胸が熱くなる.
姉妹の章, 家族の章, 幼馴染の章とまるでエロゲのような関係を持つヒロインを更正していくのだが, さりげなく仕込まれた伏線が最終章で炸裂する. すげぇすげぇよ. その発想は無かった. 章タイトルが出るシーンはガチで鳥肌が立ったわ.
リベンジと騙し討ちを幾度と無く繰り広げればエンディング. 一本道のシナリオというのは構成を鑑みると仕方の無いものと言えよう.
さておさらい. 主人公の考えや行動を全て見透かし先の先をゆくオッサンキャラの声を当てているのは若本. 先にプレイした"つよきす"とのギャップは半端ない. こちらは畏怖の対象であり若本本来の領分でテキストを読み上げていく. おれとしては全米震撼のハマリ役と評価します.
2章のヒロインは某読み新谷さんのような声色. 実は新谷なんだぜアレとか言われたら本気で信じてしまいそうだ. 残された僅かな期間になって首にかけられたロープが徐々に絞められていく様子にマジカヨと呟いてしまった自分がここに. エンディングでもヤラレちまったぜ.
満を持して登場する姉が凄い. このゲームに対する評価が変わりそうなほどのインパクトとポテンシャルを持っていて, 重苦しい雰囲気から一転してバカテキスト化で攻め立てる. 「ブルータス、チョー気持ちいい」にはウーロン茶フイタ. カエサルかわいそう. なお声は「みっみっみらくる みっくるんるん」の人. これ言われてもわかんねぇわ別人すぎ.
ゲーム終盤の流れはご都合主義と取られかねない. ここでああ来るんじゃないかなーと思うと来る. ニヤリとする部分ではあるが, ちと強引かもわからんね.
そろそろまとめに. シナリオは評判通りで文句ありません. これ以上を求めてしまうといつまで待っても発売できません. あと曲がやたら多い. 繰り返し使われるものが少ないせいか印象に残るものが無かったのは残念だ. シナリオとしては一本道でもエンディングは複数在るのだが, ルート分岐の選択が序盤にあったりするのは何とかして欲しいところ. ファンディスクが11月に発売を控えており楽しみ.
そして向日葵が出てくるシーンは美しかった.